こんな話をすると他の獣医師からお叱りをいただくかもしれないが、私は自分の愛犬にけっこういろんなおやつをあげる。トラック(愛犬名、メス)は散歩の途中にコンビニに寄って、おやつを買ってもらうのを何よりも楽しみにしている。彼女の定番はクリームの入った細長いパン(ナ◯◯スティック)とクリームをサンドしたクラッカーだ。けんかっ早いトラックだがおやつを買ってもらった時は他の犬に出会っても見向きもしないし、おそらくリードがはずれても一歩も離れていかないと思う。おやつに気をとられすぎて電柱にぶつかったこともあるくらい嬉しいらしい。そんな時ヨダレもキラキラ輝くがそれ以上に瞳のキラキラがとてもかわいい。
『そんなものやっていいのか』とよく訊かれるが、要は量の問題だ。もちろん肥満も含めて持病のある子は慎重にならなければならないし、欲しがるがままに与えたり、習慣化するのもよくない。おいしすぎて当然何度でも欲しがるようになるので、愛犬に対してきっぱりとした態度がとれない方はたとえ少しだけと思っても最初からあげるべきではない。『主食は質の良いドッグフードで、定期検診はきちんと受ける』というようにしておいてもらえば大した間違いはおこらないと思う。ちなみにおやつのお薦めはキャットフードとデンタルケア用の大粒フードである。うまい、安い、栄養バランスも悪くない。ご褒美で一粒一粒あげるのにとても便利である。あまり大きな声では言えないが、懇意にしてもらっているK先生に話したら『先生もですか、うちもキャットフードですよ』とおっしゃっていた。